富の集中によって貧乏人が得する世の中になった

以前、技術の進歩のおかげで貧乏人ほど得をするようになったと書いた事がある。

でも、よく考えたらそうじゃなくて富の集中の結果、貧乏人が得するようになったんじゃないかと思うようになってきた。

ワインをシャンパンタワーに注ぐことで上から下に富が流れてくるという経済の理論がある。トリクルダウン理論という。

これは政府がお金を市場に投入すれば大企業にお金が入り、それが従業員に流れ、従業員は街で買い物をすることによって自営業者などの庶民にもお金が回るという仕組みだ。

ただ、日本の場合、政府がどんどんお金を刷って市場にお金を流し込んでも企業の内部留保が増えるだけで従業員の給料が増えずに経済がそれほど回っていない。

結局、大企業が更にデカくなって富の集中が増し、貧富の差が広がっている

これは失敗なのか?ぱっと見るとなんか失敗してる感じがする。もっとみんながお金持ちになった方が正解のように思う。

確かにみんながお金持ちになるのが理想ではあるけど失敗ではないような気がする。

なぜか?大企業に富が集中することによって大企業の投資額が大きく増えているからだ。投資額が増えればサービスが安くなるし、物を作る設備も最新のものになって物の価格も安くなる。

設備投資が増すことで仕事が増えるので失業者は減るし、物が安くなれば庶民でも必要なものを安く買うことが可能になる。

今、ガソリン代が高騰していて180円台が普通になっている。車を使う人からはガソリン代が高すぎて満タン入れられない!というような声が上がっているが企業の設備投資による自動車の燃費向上はここ20年で目覚ましく、例えば2000年代のカローラの最大燃費はリッター20キロだったのが今ではプリウスで30キロまで伸びている。
軽く1.5倍走るようになったということを考えるとガソリン代がリッターあたり1.5倍になって2000年代と同じぐらいと考えいることが出来る。

ガソリンに関しては価格の変動が激しすぎてちょっと分かりづらいので一番値下がりが激しいエンタメで説明するとインターネットや通信設備への設備投資により、ここ30年でとんでもない値下がりが起こっている。

昔、気になるアニメを見ようと思ったらレンタルビデオのゲオやTSUTAYAで借りてきて見る必要があった。1本のテープで2話しか見れない。一本当たり300円ぐらい払って借りる必要があったのでエヴァンゲリオン全26話を見たい場合14巻で4200円かかるのである。

それが今ならアマプラとかで月額500円払えば見放題。
アマプラに無いアニメもDMMTVとかAbemaTVとかで配信されているのでそれを見ればいい。どのサービスも月額500円ぐらいだし、お試し期間無料とかもあるので全然コストが掛からない。しかも借りに行く手間もかからないし、貸出中で待たされることもない。

昔は暇つぶしと言えば新聞や雑誌で、電車に乗っているサラリーマンは器用に新聞を小さく畳んで読んでいるのがよく見られる光景だったし、網棚に捨てられた雑誌を拝借するとかもよくあった。

それが今ではスマホしか見てない。誰もがスマホ画面に釘付けである。
私も高校生の頃は関西ウォーカーを買って週末遊びに行くスポットを探したりしていたがそういう情報はネットの方が早いしいつでも見れるのでまず買わなくなてしまった。

音楽も昔は少ない小遣いからCDを買ったり、レンタル店へ行って旧作5枚で1000円とかを借りたりして聞いていた。そんな費用が今はサブスクなら0円である。Spotifyで0円で聴ける。

そう考えると私が高校や大学の頃エンタメに払っていたお金が月1万円〜2万円だったのがスマホ代月5000円ぐらいに大幅ダウンしているわけである。

更にゲームも無料で出来る様になっている。

スーパーファミコンが2万円ぐらいだったがソフトが高くて聖剣伝説で1万円以上の発売価格だった。ちびっこたちはお年玉で買うか1年以上待って中古価格が暴落するのを待つかの2択だったように思う。

それが今ではフォートナイトなど基本無料で遊べるソフトが多い。パソコンで遊ぶ場合はかなり高性能なスペックを求められるがスウィッチならライトで2万円程度の本体があればずっとソフト無料で遊べる。

エンタメに関しては上記のように課金しなければスマホやゲームの本体があれば基本無料。もちろんWi-Fiなどのお金はかかってくるがマンションの家賃に含まれているところも増えているし、カフェなどのFree Wi-Fiでソフトのダウンロードを行えばコストを抑えることが出来るだろう。

富の集中によって貧乏人が得するようになったのまとめ

昔は日本人が総中流とか言われて今よりも可処分所得が多く、豊かだったと言われているが、その頃の貧乏人は今の貧乏人よりも圧倒的に惨めな状況だったと言える。

うちの親の話では高度経済成長を支えるために田舎から出てきた出稼ぎ労働者や在日外国人がバラックに住みながら働いていたと言っている。当然上下水道やガスなどのライフラインも無いところもあり、非常に苦しい生活をしていただろう。


我々の少し上の世代であるチャンス大城氏やダウンタウンの世代の頃も尼崎は貧しい人が非常に厳しい生活をしていて、鉄パイプで作られた家が台風で木っ端微塵に飛ばされたりしていたらしい。

今では尼崎も圧倒的にきれいになった。富の集中によって建材の素材が安くなったことにより、貧乏人の住む公営の住宅ですら非常にきれいな建物になっていて地震や台風でも全く問題なく生活できている。

現代の日本は確かに可処分所得が昔と比べて大きく減っているが昔は必要だったお金が必要なくなったことで普通に生活する分には昔と比べて圧倒的に生きやすくなっていると言えるだろう。

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