2023年に為替介入は無いと思う

ドル円相場がかなり円安に傾いている。

このブログを書いている時点で1ドルが149円を超えている。

1ドル150円超えが見えてきたわけだが去年のように日銀の為替介入で円安が是正されるのか?であるが、私は無いと思う。

なぜそう思うのかについて書いてみる。

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円安は基本的に日本政府としては歓迎

国の立場からしてみれば円安は念願である。元々1ドル360円の固定相場で日本は輸出を増やして産業を発展させて世界第二位の経済大国になった。

バブル崩壊後の失われた数十年、ずっと円高で国内の産業は海外にどんどん出て行ってしまった結果、産業の空洞化を引き起こし、国内の景気はどんどん悪くなるばかりだった。

日本国内で高い賃金を支払って物を作って売るよりも海外で生産したり、海外から買い付けて日本国内で売ったほうが圧倒的に儲かるのでそうならざるを得なかった。

それが円安になればどうなるか?ドル建てで支払いを行う海外で生産するよりも日本国内で生産した方が安くつくようになって来ている。そうなればどんどん国内で生産したほうが安くなり、それを世界に売ることで円ベースでの利益も増える。

世界の富を日本に集めることが出来れば景気は良くなる。

円安が続けば必然的に海外から買わなければならない原材料費が上がり、商品への価格転嫁を行わざるを得なくなる。そうなれば物の値段は上がるが、便乗値上げなどもあり、更に人手不足なども続けば人件費も必然的に上がることになるだろう。

何もかもが値上がりすれば金の動きも大きくなり、金の動きが大きくなれば景気も良くなる。

これまでは円高によって何もかもが海外から安く仕入れることが出来てそれに伴い企業努力により、物を安く売って薄利多売にしようとしていたのでお金の動きが大きくならずに景気が悪くなってしまっていた。

そう考えれば今の円安は景気回復への第一歩となる可能性が高い。

インフレ率を上げて景気をよくしようというのはアベノミクスの最重要課題だったわけであるがどれだけお金をじゃぶじゃぶにしても全然お金が回っていかずにインフレ率は低いままだった。

それが新型コロナやウクライナ戦争により必然的に外圧でインフレ率の上昇がかなった形になる。

この円安はまさに日本政府からすると最高の状態だと言える。

2022年の為替介入はなぜ?

ではなぜ昨年は為替介入を行ったのか?であるがペースが早すぎたというのに尽きる。

いきなり熱湯に入ると熱くて耐えられないがぬるま湯からゆっくりと温度が上がればそこそこの熱湯でも耐えることができる。慣れるからだ。

今の1ドル150円は2022年の時と全然状況が違ってゆったりとした上昇での1ドル150円であり慣れてきている。2022年の時は長らく115円程度だった1ドルの値段が一気に140円以上に駆け上がり企業の値上げが間に合わなかったりしたが、2023年の6月以降は、もう1ドル140円台が当たり前に感じるレベルになっている。その状態からの1ドル150円はもうみんな慣れているので問題ないレベルになっている。これがいきなりドル円200円とかになれば流石に焦って介入が入るだろう。

ということで2023年のドル円150円と2022年のドル円とは全く状況が違うので2023年に為替介入が入るならドル円200円という超円安レベルと言える。

円安は続くよ、どこまでも

日本からすれば円安はずっと続いてほしかった。1985年のプラザ合意でドル安を是正するために無理やり変動相場制にされて円高になって輸出が減ったことで不況対策に日銀が低金利制作を行ったせいで、あの負の遺産となるバブルが生み出されてバブル崩壊後の失われた20年とか30年とかに続くわけである。

そう考えれば今の日本にとって円安はありがたいことであり、出来ればずっとこのレベルの円安を続けてほしい。

確かに、急激な円安で今まで100円で食えてたおにぎりが軒並み150円台になってしまって、サンドウィッチも300円とかになっちゃったし、マクドナルドのセットも前まで550円だったのにもう大体700円台になっちゃった。
丸亀製麺のかけうどんもちょっと前までは200円台だったはずが今では390円…。お昼ごはんをワンコインで食べるのがどんどん難しくなってきている…。

ただ、こういうのもそのうち慣れるので気にならなくなっていくだろうと思う。消費税が導入された時、100円が当たり前だった自販機のジュースが急に110円に値上げされてすごく値上がりした気がしたけど今では130円で何も疑問を持つことが無くなっている。消費税は10%しか上がってないはずなのに30%も値上げされて何も感じない。

円安が続けばマクドナルドのセットが1000円になるかもしれないがそれが当たり前になるだけの話だろう。

円安が続けばまた日本の時代になる

今は中国の時代になって世界の工場は中国で、中国製の物が世界に氾濫しているが、円安になれば日本に工場を作る会社が増えて日本から新しい商品が生み出される時代になる。

ファミコン、プレステ、ウォークマン、フロッピーディスク…数々のヒット商品が生み出され、鉄鋼や造船など世界を席巻するようなシェアを誇った時代にまた日本が戻れる。

作れば作るだけ儲かるので新卒社員や中途採用で人の奪い合いを行い、必然的に給料もどんどん上がり続ける。会社の売上もどんどん上がるので日経平均株価はアメリカのS&P500を上回る右肩上がりの成長となり、世界の投資マネーが集中する時代となるだろう。

東京の住宅価格は軒並み2億円を超える価格となり、それに伴い全国の地価が上昇。億万長者はもはや当たり前となる時代が訪れる。

まとめ

かなり希望的観測を書いてしまったが恐らく今の円安は日本政府としては願ったり叶ったりなので1ドル200円とか極端な事にならない限り為替介入もし無いし、マイナス金利政策も今のところ変えることはないとみる。

変えるとしたらアメリカ並みの行き過ぎたインフレ率になったり、暴動が起こるほどの事態になった時だろう。

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