私は北海道の道南にある函館市に住んでいます。
函館市というと観光、夜景、海鮮丼、レトロな街並み、ロックグループ・グレイの出身地。などが簡単にイメージできるのではないでしょうか。
実際に函館で生まれ、現在も生活をしている私からしたらどのような街で、住みやすさと住みにくさをわかりやすく解説していきます。
函館市の基本情報を紹介
函館市の気候
まず、気候について。
北国ですので冬場は雪が降り、とても寒いところです。
しかし北海道の中では、雪がそこまで積もらない地域でもあります。
夏は暑いと感じても最高気温が30度行けば高いほうです。海水浴場もありますが、1週間程度くらいがベストの海日和となるでしょう。
九州や関東地方に比べ、夏場の涼しさが過ごしやすいポイントだと感じます。
冬場は雪が降って当たり前だと感じてしますのでその点は何とも言えませんが。
食事について
食べ物が豊富で新鮮なイメージの函館市です。
しかし、函館にいるからと言っていつも食卓には刺身があったりしているわけではありません。
回転寿司の店舗も沢山あり、普通に食べていますが海外の観光の方に言われたことがあります。
普通に100円で当たり前に食べているが私たちからしたらとても新鮮だと言っていました。
そんなところは地元民の変な鈍い感覚で食事しているのだと感じました。
当たり前のように新鮮な食べ物が周りにあることで、それを普通の食事として摂っている贅沢もあるかもしれません。
ほかにも、ラッキーピエロやはせがわストアの焼き鳥弁当などのご当地グルメもありますので是非食べていただきたいと思います。
交通について
主に函館では、路面電車、バス、タクシー、自家用車が中心です。
大都会ではないため、地下鉄はないのですが、大体は市内をカバーできるような交通網になっています。
自家用車を利用する方が多いイメージがあり、駐車場のスペースも広いため、自家用車で生活しても困ることはありません。
しかし、地下鉄などがない分自家用車中心の街のため、通勤ラッシュや何が大きなイベントがあるとかなり渋滞になるのでその時は交通機関を利用するとうまく対応できるでしょう。
タクシーの初乗りで550円程度がほとんどです。
自家用車を利用するにあたっては、道に迷うことがあります。
函館市内は碁盤の目のような地形にはなっていないので、慣れるまでナビに頼ることになります。
地元民でも、わからないところが多いのでその点は注意です。
ショッピングについて
函館市内では大きなショッピングセンターが何個かあり、そこで大体の地域が困らないような仕組みになっています。
電気屋、総菜屋、スポーツ店、薬局等まとまっているショッピングセンターがあるので便利です。
そこに行くと大体の用が足せるという点ではとても便利です。
函館市に住んでわかるデメリット
何点か函館市の住みやすいポイントを説明しましたが、住んでいて不便なところも紹介します。
中心から外れると田舎
函館市は近年の人口減少により、合併して人口を維持しています。
そのため、函館市の端側の地域になると車でも1時間くらいかかるところもございますので、その地域に住むと不便が多いでしょう。
教育機関もそうですが、子供の減少で、学校が合併し学校に通う距離が遠くなった問題もあります。
高校は広い地域でありますが、専門学校、大学の数の少なさで都市に人口が流れる傾向です。
老後などの生活に函館市を選ぶことはとても住みやすい街かもしれませんが、移住を考え子供のいる世帯については少し不便も見えてくるでしょう。
遊ぶ場所が少ない
よく地元民は遊ぶ場所が少ないという方も多いです。
確かに都市部に比べると少なく、24時間やっているお店はコンビニが中心です。
飲食店もそこそこありますが、閉店の時間が長く朝まで飲みに行くとなるとここもチェーン店のカラオケなどに頼らなければいけません。
都市部からゆっくりした生活を送りたいなどの人が住みやすい街ですが、程よい都市部に行きたいとなるとなにか物足りなさを感じます。
冬は雪道で事故が多い
自動車中心の交通機関と説明しましたが、冬道は特に危険です。
慣れている地元民でも事故が多いのです。
除雪が入る地域も中心部や大きな道路があるところで住宅街は地域で協力して雪かきをするのが現状です。
町内会によって地域の住民で除雪費を負担するところもありますが、住人が多く住む町内会に限っています。
函館市は治安も良くて住みやすい
函館市の住みやすい街ランキングにもよく上位でランクインする街ですが、地元民からするとなにを基準にしているのかなという面もあれば普段から当たり前のようにしていることがほかの地域によってとても便利なことだとテレビやSNS等を通じて感じます。
治安についてもそこまで大きな事件が起こることはなく、ニュースになるとびっくりするくらい平和な印象はあります。
意識してみると食事はおいしい、治安はいい、人柄も優しい人が多いイメージで、ほかにも賃貸や土地も安いのが特徴です。
冬の寒さに耐えれれば不自由なく住めるのが函館なのではないでしょうか。
台風の進路も経験上北海道までまともに来ることはないので気象も安定していると思います。
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函館は移住地としてどうなのか?
函館に移住したい?でも、治安はどうなの?住みやすさ、住みにくさを函館で生まれ、函館で育った私が解説いたします!
住みたい街ランキングでも上位に食い込む函館。観光地として有名だけれど、実際に住んだらどんな感じなの?
観光地以外には何があるの?治安は?
人口は年々減少していますが函館は住みやすく、良い街です。
ではなぜ人口は減るのか?私なりに解説し、皆さんの気になることを在住者目線でまとめました。
函館は住みやすいのか住みにくいのか
こんにちは。私は北海道の函館市に住んでいます。
生まれてからずっと函館に住んでおり、とうとう住みはじめて20年を越えました。
生粋の函館人です。
そんな私から見た函館についてお話したいと思います。
函館の治安について
まず、移住する、観光する、となると一番気になるのは治安ですね。
函館の治安は観光地ということもあり、決して悪くはないです。
人柄も親切な人が多く、道を聞くとほとんどの人は丁寧に受け答えをしてくれます。
事件もそう頻繁には起こらないですから、テレビで”函館で”と聞くと、ああ。珍しいな。という感想を持ちます。
事件は少ないですが夜はなかなか不気味です。
函館は20時を過ぎると出歩く人が極端に少なくなります。
車もあまり走らなくなり、唯一走るのは閑散とした道路にものすごいスピードで駆け抜ける車の数々。
運転マナーの悪い街としても上位にランクインするほどです。
車間距離ギリギリで横からウィンカーも出さずに前に入ってくるということも稀なことではありません。
街灯も、場所によっては薄暗いものが多かったり、付いていないところもあったりとやや不安です。
だから函館に住んでいる人は夜に出歩かないのかもしれないですね。
20代、30代の人口が減少しているのも夜が閑散としている原因の一つだと思います。
函館の住みやすさ
ボロボロに言ってしまいましたが、なんだかんだ生まれてからずっと函館に住んでいる私です。
住みやすいから未だに住んでいます。
これから住みやすい理由を考えていきたいと思います。
1、街並みが綺麗
函館を観光したことはありますか?
函館には元町、という町があります。
観光に特化したような綺麗な街並みです。八幡坂というとピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その八幡坂を挟んで両脇に生える木が織りなす並木道。頂上から見下ろして、遠くに見える海は絶景です。
冬には元町一帯がイルミネーションで輝きますよ。
2、お祭りや行事が豊富
7月の祝日、海の日。
海の日には年が明けて初めての花火大会が開催されます。
え。函館ってこんなに人がいたの?というくらい人が集まり、賑わいます。
そして、そこから始まる8月1日から5日までのお祭り。港祭りといいます。名物は函館恒例の”いか踊り”。
千代台・五稜郭コースと十字街・松風コースがあり、どちらも2キロ程度の距離をいか踊りで進んでいきます。
この区間は車両通行禁止となり、道路全体が踊る人々で溢れかえり、道路の両脇の歩道にはお酒を片手に持つ人や、屋台の食べ物を食べながら見ている人などでこちらも溢れかえっています。
毎年たくさんの企業や、グループが参加し、ド派手な山車の後ろで踊る姿は見ていて非常に気分が高揚します。
最後には全員参加できるお楽しみもあり、道路を挟んだ両脇で眺めているだけだった方々も最後はお祭り騒ぎに踊り始めます。
函館の人はこういったお祭りが好きです。私もお祭りが大好きです。一番大きな夏の行事かもしれないですね。
夏の行事は熱いものが多く、ここ数年で始まったはこだて国際民俗芸術祭も近年賑わいがすごいです。
8月5日から1週間程度(日程は微妙に毎年変わります)のお祭りです。世界各国から来日した外国のアーティストが元町公園で歌ったり踊ったりして楽しませてくれます。
各国の食べ物を売り出す屋台も出店されており、どこかしらで必ずアーティストの方が出し物を披露しています。
この空間にいる間は音がないなんてありえないのです。ただただ楽しいイベントです。フェスのような雰囲気です。
年間通して函館にはたくさんのイベントがあります。私は夏の行事が好きなので、夏のイベントばかりの紹介になってしまいましたが、すべてを紹介してしまったらとんでもない長さになりますね。
機会があれば、イベントがある時に遊びに来て下さい。
3、人口が多すぎない
札幌に遊びに行くと思います。
”人多いな”と。
札幌の駅は函館の駅と比べて規模も違いますが、いつも人の多さには圧倒されるばかりです。
私は人酔いをするので、函館の閑散とした駅が合っていますね。
トイレに長蛇の列?土日くらいならそんな列できませんよ!
4、無料の駐車場が備えられている
函館は車がないと住みにくい町でしょう。
周りの人々も口々に車がないと不便で仕方がないと言います。
私も車を持っていますが、函館では駐車場に困ったということはあまりありません。
お金を出せば札幌でも駐車はできるのですが、駐車料金も高いですね。
その点函館は良いですよ。
店には大概無料の駐車場が付いているし、札幌で1500円が定価な駐車料金も函館なら800円程度で済みます。
車事情はなかなか重要案件です。
函館の住みにくいところ
つらつらと住みやすい理由を述べてきましたが、逆はあるのか?
もちろんあります。住みにくい部分もまとめてみましたのでご覧下さい。
1、遊ぶ場所がない
これはもう、何よりです。
観光地としては最高でしょう。ホテルは年々増え、地元民の憩いの場だった老舗デパートもこの間潰れたばかりです。
しかし、地元民からすると、そこが不満だったりもするのです。
20代、30代の人口が減り続けるのはこの辺に理由があるといっても過言ではないでしょう。
友人と休日に待ち合わせ。どこ行く?の後に続く言葉は見当たりません。
小学生の頃なら公園で何時間でも遊べたのに、今じゃ何か食べに行こうか。くらいしかありません。
一日中何か食べていないと遊ぶ場所がないのです。
もっと商業施設が、ほしいです。
2、運転マナーが悪い
函館の運転マナーはなぜか悪いことで有名ですね。
そして、大概地元民は運転マナーが悪いことを知っています。
”函館ってみんな運転マナー悪いよね”
そうやって言う人も運転マナーが悪いです。
先述しましたが、車間距離ギリギリの追い越し、黄色信号になった途端アクセルを強く踏む。日常茶飯事です。
私は法定速度を守りたい派なので煽られることは珍しくないです。
運転を軸に考えると、この町は住みにくいですよ。
3、働き口が少ない
函館以外の求人票を見て驚きました。
”え、こんな仕事もあるの?”
おそらく函館は仕事が少ないのだと思います。飲食業、事務、似たり寄ったりのものが多く、視野は狭くなりがちです。
若手の方が函館を出るのにはこういった理由もあるのでしょう。
給料も安いので、函館で正社員として働いた金額よりも、関東地方でアルバイトした給料のほうが多いです。物価も違いますからどちらがいいとは一概に言えませんが。
4、流行についていけてない
”あ、この化粧品かわいい!新作かあ。”
そう思っても函館で買えないことは珍しくありません。
そもそもその化粧品メーカーが函館で取り扱っていなかったり。よくあります。
衣服を買う場所も限られているので、道ばたですれ違った人の服を見て、”あ、あの服持ってる。”
なんて現象もよく起こります。
個性を出すのが難しい町です。本当に。
函館に住んで感じることまとめ
さて、住みやすいところと住みにくい部分をつらつらと述べさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
どうですか?住みたくなりましたか。それとも、住みたくないかも、と思いましたか。
私はいい部分はいいと思うし、悪い部分は本当に悪いなと思います。
都会なのか田舎なのかはっきりさせてって思いますし、実際不便なことも多いですよ。
ですが、いざ函館を離れると恋しく思うものなのかもしれません。実際出戻りも周りでは結構います。
なんだかんだでごはんも美味しいのです。地方から遊びに来た方々が口々に言うんです。
函館のごはん屋さんって、何食べても美味しいよね。と。
私もそう思います。関東地方に遊びに行った時も函館で食べたごはんのほうが美味しいかも、なんて感想が頭をよぎりました。
結局、出ていこうとしないのが私の結末なんだと思います。
私には函館が合っていた、ただそれだけです。
移住は敷居が高いので、一度遊びに来てみてください。
どんな町なのか分かっていただけると思います。