この時期になるといつも思い出す親友の話

この時期、秋が深まりつつあるこの時期だ。毎年思い出す。17年。

小学校の6年生の頃、出会って一緒に塾に通っていた。
中学から私立に入ったのだがそいつも同じ学校に入学し、そいつは入学生代表になるぐらい頭が良かった。

同じ塾だったこともあるし、同じグループで遊んでたこともあり、いつの間にか釣り仲間になって中学校も高校もしょっちゅう釣りに行っていた。

大学に入って私は東京に行ってそいつは地元の有名私立大学に入り、なんだかんだでちょいちょい帰省した時に釣りに行く感じだった。大学の時にはパチンコとかにも一緒に行ったりしていた。

東京の大学を卒業して地元の釣具屋に就職したのだが、そいつはパチンコのし過ぎで留年しており、まだ大学生だったこともあり平日休みの私は非常に一緒に遊びやすくてむちゃくちゃいつも釣りに行っていた。

釣具屋の仕事に関しては釣り好きとしては楽しいものだったのだが、店長が変わったりしてノルマがしんどかったり、仕事でミスを繰り返すたびに向いてないのかと悩んでいた。そんな時期にもなんだかんだでしょっちゅう一緒に釣りに行っていた。

そんな秋の日に、そいつと共通の友達から「あいつの親から連絡が有ってあいつと連絡が取れなくなっているけど何か知らないか?」と聞かれた。
気になってこちらからもそいつに電話してみたが何も反応はない。メールも返ってこなかった。

そして2日後にそいつが山で首をつっているのが見つかったと連絡が入った。

連絡が取れなくなる3日前に一緒に釣りに行って、「俺は午後から仕事だから帰るわ、またな」って言って別れたのが最後だった。

遺書も何もなくて何が原因かはまるでわからないとのことだったが、就活に失敗して飲食しか内定もらえなくてインターン行ってるけど地獄とかそういう話は聞いていたし、新しく買った原付きがいきなりパクられてショックとかそういう話も聞いていたのは覚えている。なんかそういうのが続いて嫌になっちゃったのかもしれない。
金持ちの家に生まれて小学校からそこそこ頭も良くて太ってはいたけどサッカーも上手くていいやつだったんだけどな。

その一件で俺も何かが吹っ切れて会社を辞めた。
釣りばっかりしてきたから釣り関係の仕事が天職だと思って仕事にしたけど結局7ヶ月で辞めることになるとは思わなかった。だが、今思えばあの時辞めてよかったと思っている。

結局、人間誰もが死ぬ。人生80年とか言ったりしてるけどあの世へのハードルは思ったよりも低い。誰もがいつ死ぬかなんて全くわからない。

そう思ったらやりたくもないことをしている時間なんて無いんだよ。やりたい事があるならすぐにやらなきゃならないし、やりたくないことをしているのならすぐに辞めなければならない。人生はやりたいことをするためのものなのにやりたくもないことに有限の時間を使っている場合ではないということだ。

自分の人生を生きることが一番重要ということに気づいたのがその時だった。

あの時、親友が死んでいなければ今の自分はいないだろう。

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