要領よく生きていこうとしたけど結局愚直が最強だった

私は大学生の頃友人とどうやれば要領よく生きていけるかについてよく語り合っていた。

人生要領よく生きた奴が上手いこと人生をバラ色にするやつだと信じていたし、大学時代など本当に舐めた生活を送っていた。

常に遊びまわってバイトもバックレて当然だしブラックバイトで消耗する友人を見て「何まじめに頑張っちゃってんだよ、お前なんて捨て駒としてしか見られてないぞ」とか言っちゃってた。

大学の期末試験なんかは過去問集めるためにうまく同じ学科の先輩がたくさんいるサークルに入ったり、授業のノートを見せてもらうために真面目そうな人と友だちになったりした。

大学時代なんてこんな感じで余裕だった。

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働き出すと誠実に積み重ねることの重要さがわかる

就活についてもちょうど何か割りと景気のいい時期で団塊世代の大量退職と重なりそれほど氷河期感は無かった。

まぁぶっちゃけ勤め人になるのは嫌だったのでほとんど就活なんかせずに地元の近所のお店の販売員になった。

これも誰かのブログに書いてあった「就活は就活ナビなんて使わず片っ端から気になる会社に電話かけろ」ってのを見て「そうだよな、俺が経営者だったらそういう奴取るわ」ってことでそんな感じで内定取った。

バイトからでもいいやと思ったが大卒正社員として採用してもらえて多分相当期待されていたと思う。

ただし、社会ってのはそんなに甘くないんだよね。ぶっちゃけ要領よく生きようとしてもそんなにうまくはいかない。はっきり言ってこの日本という国は精神論に支配されている。

新入社員はとことんいじめてとにかく無駄に傷めつけることで会社への忠誠心を身につけさせるみたいな感じがある。理不尽に切れられ精神的に追いつめられる日々を送って結局7ヶ月で辞めた。

特に次やることも考えてなくて適当にこれからはIT社会だと言うことで職業図鑑に載っていたWebデザイナーになったわけだ。

そんで次の会社は外資系だったけどここに関しては日本と全く文化が違うのでここでは書かないでおこう。もしも実力主義で才能にあふれたやつがいるなら迷わず外資系に行け!これはマジで言いたい。

そして3社目が俺にこの日本で働くということを教えてくれた会社。

ここで3年ほど働くわけだがまさにTHE日本企業。どんなに無能であってもただひたすら会社に忠誠を誓い泥臭い生き方を続けていれば上層部になることが出来るという世界。上の気に入ることをすることが全てでただただ愚直に働けば認められるということを教えられた。

はっきり言って俺は1年で辞めても良かったのだが別に辞めなくてもいいかって感じで働いていた。この会社では本当に心の底からこの日本で働くことの辛さを味あわせてもらえたし「泥水を飲むような思い」ってこういうことを言うんだなってのをすごく味わうことが出来た。

一社目の販売もとにかく体育会系で上司こそすべての権力でありどんな理不尽さでも反抗は許されない会社だったがこの3社目に関してもワンマン社長のやりたい放題であり、それに染まらなければ生きていけない状況。

この会社で3年いればいい意味でも悪い意味でも企業戦士になれる。そんな会社だった。

結局要領よく生きる方法なんて無い

大学の頃の友人と要領よく生きる方法を社会に出てから語り合ったが結局出た答えは「要領良く生きる方法なんて無い」ということだった。

その友人はこの社会でも一二を争う理不尽業界である不動産業界に行ってしまい1年ちょっとでボロボロになって転職。今は営業のサラリーマンを続けている。

うちの爺ちゃんが死ぬ前に言ってた言葉だが「人生で大切なのは誠実さだけだ」って言葉が社会に出て10年で本当に身にしみている。

結局要領よく生きることの出来る世界なんて日本には無い。もし本当に要領よく生きることが出来た人がいるなら本当に運の良い人間だろう。

長い人生において必ず「死んだほうがましなんじゃないか」というぐらいに辛い思いをする期間が必要だと思う。

私の場合3社目と4社目と5社目で大量の理不尽と泥水を飲み干したおかげで今独立して個人事業主としてうまく生きていくことが出来ていると感じる。

もし、20代に楽勝で来てしまっていたら確実に30代40代でそのつけを払う必要が出てくるだろう。

コスパが悪そうに見えることほどコスパがいい

これはホリエモンが言っていたことなのだが、一見コスパが悪そうな仕事ほど、費用対効果が高い仕事だということである。

どういうことかと言うと、それほど苦労もせず、短期間で稼げるような仕事は確実に長くは続かず、あっというまにコモディティ化してしまって稼げなくなる可能性が高い仕事なのである。

ブログで月100万円稼ぐとかアフィリエイトを個人でやって月何百万円も稼ぐとか言う仕事はとても効率よく金を稼げる要領のいい仕事だと思えたのだが、数年で過当競争が起き、今では資金力のある大手企業がしのぎを削る世界になっている。

でも、誰にでも真似できないようなレベルの技術力を身に着けなければ成立しないようなジャンルの仕事、例えば仕掛け時計職人など商売になるまで修行に何年も時には何十年もかかるような仕事の場合、そう簡単には参入できない。ジャンルもニッチであれば大手が入ってきても商売にならないので過当競争が生まれにくい。
そういう一見市場規模が非常に小さく、商売にするまでかなり時間がかかるようなコスパが悪い仕事ほど長く飯を食い続けることの出来るコスパの良い仕事になるのである。

私の場合、プログラマーという下積みに何年もかかるような仕事を20代の頃やってきたおかげで30代後半になって自営業を廃業するに至ってもその後もかなり時給のいい派遣社員の仕事に簡単にありつくことが出来ている。IT業界は非常に目の荒いふるいが存在し、適性のない人間は1年続かないし、3年続けることの出来る人間はかなり少ない。その中で10年仕事を続けてこれている人間の価値はかなり高くなっていてレアな存在になっているのである。
私のいるWeb業界など給料がものすごく高いわけでもなく、会計士のように多くの人が何年もかけて目指すような職種でもないためライバルが少なく、常に人手不足の売り手市場となり続けている。その中で10年この世界で飯を食っているような人間は恐らく今後も仕事にあぶれるようなことはないだろう。

一見儲かりそうな仕事を目指すのではなく、あんまり儲かりそうじゃないけど続いていきそうな仕事を選んだほうが最終的に勝てるのがこの世界だろう。

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