ブラック企業で働けてよかったなぁと感じることまとめ
私は、フリーランスになる前は、いわゆるブラック企業に勤めていた経験があり、約2年ちょいその会社にいた。
そのブラック企業に勤めてよかったなぁとあとから感じることなどを紹介してみよう。
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その会社のブラック具合を紹介
まず、その会社に入ったきっかけから書くと転職エージェントに紹介されたからである。転職エージェントはブラック企業だろうがなんだろうが仲介料を貰えればどこにだって入れる。
ブラック企業全てに言えることだと思うのだがブラック企業の公式サイトはかなりしょぼかったり、もしくは存在しなかったりする。目先の金を追いかけ続けていて余裕が全然ないので自社サイトという直接利益を生み出さないものに対してリソースを使えないという理由がある。
ブラック企業に入りたくない人は公式サイトがあまりにもしょぼいところは避けた方が良いと思う。
その会社はマンションの一室みたいな部屋がオフィスだった。元々マンションだった建物を小さな会社のオフィス向けにリノベーションした感じで2部屋を一部屋にしているオフィス。
一番嫌だったのはトイレが一つしか無くて若い女性社員も共用というところ・・・。めっちゃ気を使う。大とか超し辛いやんけ・・・。お腹痛くなっても気軽に行けないトイレ・・・辛い。
そんなオフィスに8〜9人がいて仕事をする。
給料は年棒制で残業をしても全く変わらず、定額働かせ放題。私の場合は年360万円と決まっていたので12等分で月30万円で働かせ放題だった。
仕事は過酷で朝、10時に出勤して次の日の朝5時ぐらいまで仕事をしてイスを並べて仮眠して、また朝10時から働くなどの状況もあった。繁忙期はもう2ヶ月ぐらい休み無しで働き続けているような感じ。若かったからなんとかなったけど今やったら絶対にどこかで倒れていたと感じる。
その時の後遺症か、今でも腰や首が時々痛くなって動けなくなることもある。長時間のデスクワークは身体を確実に蝕む。
こんな過酷な労働環境で仕事をしてもボーナスは無し…。この会社はオーナーが居て、月一回そのオーナーを交えての全体ミーティングがあるわけだがそのオーナーが毎年のように今年はボーナスを出したいと言っておきながら毎年今年は業績が目標に達しなかったのでボーナスを出せませんと言っている…。
いや、俺のプロジェクト2ヶ月で2000万の売上やん。メンバー5人で外注含めても粗利1000万は残るやん?どこに消えてるのそのお金?
あとからわかったのだがそのお金は雇われ取締役が横領していたということでクビになり、裁判になっていた…。俺のボーナスがやつのキャバクラ代に全部消えていたなんて!!
ブラック企業で働いてよかったと思うところ
総合的に見るとデメリットしか無いような気もするブラック企業での労働。でもブラック企業で働いてよかったなと思うところも少しはあると思うのでそれを探そう。
ちょうどいい踏み台になった
ブラック企業というのはメンバーがすぐ辞める。特に優秀な人から辞めていくので雑魚しか会社にいなくなる。
でも仕事だけはなぜかたくさん来る。それは単価が安かったり、オーナーのコネだったりなんかわからないけど東京ってのは仕事だけはたくさんある場所なのでブラック企業でも仕事は多い。
雑魚でもでかい仕事をさせてもらえるので成長が早いのである。
普通だったら入社して5年ぐらいは下働きしないと出来ないような有名な会社のサイトのディレクションを入社2年目で任せてもらうことなど当たり前。私も誰もが知るようなでかい会社に一人で行って打ち合わせを行い、日本を代表するIT企業の割と偉そうなおじさんと対等に仕事をこなす経験を出来た。
普通に考えて20代後半のディレクターがやるような仕事じゃなかったけど意外と普通にやれた。
そんな若手ではなかなか経験しないようなプロジェクトに参加していろいろと新しい技術を導入するなどの経験が転職する時に非常に大きな武器になる。
私はフリーランスになって今は時々東京の元同僚から持ちかけられるウェブサイト制作とブログ収入と腕がなまらないように派遣社員の仕事で生活しているが、ブラック企業で後輩だった社員は転職して一部上場企業の社内ウェブディレクターとして年収500万円で超ホワイト労働を行っている。
インハウスのディレクターは生ぬるすぎて逆に辛いという愚痴も聞くが、明らかに勝ち組と言っていいだろう。毎日朝10時出社で18時退社、服装はTシャツでオッケー、新宿の高層階の綺麗なオフィス。もう完全に勝ち組や。
それもこれもブラック企業で誰でも知っているような企業のサイトをいくつもディレクションしてきたから転職できたわけである。
もうひとりの同僚は、私が会社をやめてから2年後、他の社員が全員辞めてしまい、ついにそのブラック企業で最後の技術者になった。そしてその人はオーナーにこう言った、「独立するので、外部委託社員として雇ってください」と。
恐らくこの時点でこの人の給料は月収30万ぐらいだったはずだが外注になったことで毎月80万円の請求書を会社に送っているということだ。
確かに社員から独立したら社会保障費とかの経費がかかるからそのままの給料じゃやっていけないかもしれないが月80万とか無茶苦茶強引!!
でも、会社としてはこの人がいなくなると、今まで会社が持っていた案件を分かる人がいなくなり仕事ができなくなるということで飲むしか無いのであった。普通のCMSではなく、特別なCMSを使って超巨大なサイトを継ぎ足し継ぎ足しで何年もかけて作ってきたせいでもはやその人しかコアな部分を知る人がいなくなっている…。
技術者は案件のコアをブラックボックス化させたら死ぬほど強引に取引できるっちゅうこちゃ。多分月収100万にしても切られないんじゃないだろうか?(毎年2000万の予算で受注してるプロジェクトだから)
ブラック企業はコンパクトなので仕組みがわかりやすい
ブラック企業で働いてよかったことその2は、会社自体がコンパクトなので仕事の流れがとても明確ということだろう。
営業が仕事を取ってきて、その予算から内部で全部やるか、それとも外部を使うか?そういうのを決めて、外部を使うならデザイナーやコーダーをアサインして・・・という納品までの流れをほとんど一人でやる。
なので私も大体の流れを掴むことが出来てこれなら独立しても一人で仕事できるわってことでフリーランスになることが出来た。
その会社の先輩に関しても一人で全部仕事を回している案件がいくつもあり、誰もその人の仕事内容を知らない感じだった。たまに私に「1万円あげるから休みの日に一ページだけコーディングしてくれない?」と仕事を個人的に振ってきたりもする感じでこの人はなぜこの会社にいるのだろう?って感じだった。
多分、結婚したてで家のローン審査で有利になるように正社員になっていただけで本当はフリーランスで働きたかったのだろうと思う。その証拠に審査が通ったと思われるタイミングで会社を辞めた。もちろんその会社で取引していた会社の中で儲けの大きいクライアントの仕事を持って行った。割に合わないやっすい仕事は全部俺がやる羽目に(笑)
ブラック企業で働いて本当に良かったのまとめ
ブラック企業は低賃金で定額働かせ放題という非常に辛い労働環境で、私も1ヶ月連続で休み無く、終電まで毎日働いていた時には電車をみて飛び込んだら明日会社に行かなくても済むなぁとイカれた脳内になっていたことがある。その時は冷静な判断力は何もなく、ただ電車にはねられて木っ端微塵になりたい欲がマックスだった。
ブラック企業で働きすぎると、この世は地獄で死んだら天国やん!って思うのだ。
なのでブラック企業で働き続け無いほうがいいのは間違いないが、2年ぐらいブラック企業で修行を積むとホワイト企業10年分の泥水を飲む経験が出来て手っ取り早く強くなれる。転職でホワイト企業に入社してあっさり大幅な年収増が見込めたり、フリーランスとして独立しやすかったりするのでブラック企業での辛い経験は無駄にはならないと思う。
あとはブラック企業は変な人がいっぱいいるので面白いというのもある。元板前で今は某大企業でウェブプロデューサーやってる人とか、バーチャル企業に架空発注を繰り返して横領の罪で裁判起こされた人とかなんか変な人ばっかりいた(笑)
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