自営業を5年続けて気付いた良かったことと大変さについて

自営業を5年続けて気付いた良かったことと大変さについて
サラリーマンを辞めてフリーランスになって気づくともう5年、このページでは会社員も自営業も体験してわかった自営業のいいところと大変なところを語ってみようと思う。

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自営業の大変さ

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とにかく孤独

これはWeb制作の仕事をメインにしているからだと思うが一日パソコンに向かい続けるのは普通に孤独だよね。

会社ならとりあえず誰か居るわけだし、喫煙所行けばなんやかんやで楽しく話ができたりする。雑談ができないってのはデメリットの一つだと思う。

誰が言っていた言葉だったか忘れたけど、貧乏は人を死に追いやることはないが孤独は人を死に追いやる的なことを言っていた。人間というのは太古から社会的な生き物として生きてきたので、遺伝子レベルで孤独には耐えられないのかもしれない。

自営業はやることが多い

自営業って営業から経理、備品購入、資料集め、制作など色々なことを全部一人でこなす必要がある(儲かってるなら人に任せてもいいが)。

特に開業時は税務署行ったり市役所行ったりなんやかんやでめっちゃ忙しい。でもまぁ最近は慣れてきたのとウェブサービスやソフトが充実しているのもあって割りと楽っちゃ楽になってる。

やるべきことはたくさんあるのに一人なので誰も指摘してくれず、ついついサボりがちになってしまって確定申告のシーズンになると大慌てで領収書集めしなくてはならなくなったり…。

収入が安定しない

はっきり言って仕事って予算ありきのところが大きいので仕事が入ってくるのは予算を使いたい年末とか決算期に集中したりする。

だからその時期はすごく収入が増えるけど俗にいうニッパチ(2月と8月は閑散期)に仕事が無くなって大きく収入が減る

決算期での変動以外にも助成金を使ってホームページを作りたいとか言うクライアントも多くてウェブ制作は予算が年によって大きく変わりがち。だからめっちゃ稼げても来月は大丈夫か?来年も続くのか?と不安感はずっとある。

世の経営者は多分みんなこの苦しみを味わっていると思うと月々定額の給料を貰えるサラリーマンは楽だなと感じる。

周りからの評価が低い

自営業って基本家にいるし、ほとんど働いている感じを出せないのでどうせ稼いでないんだろ?みたいな感じで見られる。

図書館に通って資料探したり古本屋行ったりマンガ喫茶行ったりしているのを見て暇なのかな?と思われたりする。

私のような仕事の場合、頭脳労働になるので基本的に参考書籍を読むのが仕事の8割ぐらいだと思う。サイト作りってデザインじゃなくて中のコンテンツが全てなんだよね。

なのにサイトって使ってる写真が重要だよね?って言ってきたり確かにそうだけど、それは要素の一部で大事なのはユーザーの求めているものをどう表現するか?だよ。UXやIAをないがしろにしてサイトを作ることなんて出来ない。

そんな自分の周りの人の評価以外にも銀行とかクレジットカードとかの会社からも個人事業主の評価は低くて、住宅ローンを組もうと思ってもサラリーマンのように簡単に35年ローンが組めない。開業後4年目以降じゃないとダメとか。事務所を借りる時も審査がめんどいのも自営業の辛い所。

もし結婚するとかなるとその時も両親に会う時は市役所へ行って収入証明書をもらってきて持参したほうがいいんじゃなかろうか。。。

倒産リスク

倒産リスク
個人事業主で開業しているだけなので、倒産と言うよりはやっていけなくなって廃業という形になるのだが、そうなった場合ちゃんと貯金しておくとか保険をかけておくなどしておかないと会社員の時のように失業保険は出ない小規模企業共済は必ず入っておこう。

将来的な不安

サラリーマンなら終身雇用の場合、ちゃんとした会社だと何千万円かの退職金が出て厚生年金も出るので老後の不安は特にない人が多い。普通に生きていけば寿命まで楽に暮らせるだろう。

個人事業主の場合、ちゃんと自分で積み立てておかないと退職金は出ないし、厚生年金もないので不安な場合は私のように個人年金も加入しておく必要がある。こういうのはちゃんと確定申告すれば控除があるので大きな節税効果は得られる。

まぁ個人事業主の場合、定年制度などなくやりたければ死ぬまで働ける仕事ではあるので、年金をもらいながらも仕事をしてお金を稼げばサラリーマンと同じぐらいかそれ以上に余裕だとは思うが。

病気の心配

入院などした場合、仕事ができなくなることでその分収入が減る。これも保険に入っておきたいところ。

社会保険料の恐ろしさを実感

自営業の人間は社会保険料を全て自分で支払うことになる。会社員の場合は、健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保険料を半分会社が支払ってくれていたのだがそれを全部自分で支払うのが自営業。

稼げていない時は会社員の時とそれほど変わらない額なので気にならないが下手に稼ぎすぎてしまった場合、やばいことになる。

私の場合3年目に600万円ぐらいの利益が出てしまったのだが健康保険料が上限近くまで上がり、なんとその額は年間66万円オーバー。毎月6万円以上のお金を請求されて社会保険料の恐ろしさを実感することになった。

さらに前年と同じだけ稼げていたらいいが自営業の場合収入が大幅に減っていることもある。私の場合も600万円の利益を出した次の年、年収200万円まで落ちて社会保障費が払えなくなりかけた。貯金はとても大事…。

年収が2倍になったら社会保険料は3倍になると思っておかなければならないだろう。

自営業のいいところ

自営業のいいところ

経費が使える

仕事に関係している出費は経費になる。なのでスマホは2台持ちにして一台を会社用にしてもう一台はプライベートにするとかいろんな本を参考書籍として経費にしたりセミナーとかで東京行ったり、調査と言うことで色んな所へ行く旅費交通費が経費になる。

ぶっちゃけ馬を撮る趣味で一眼レフ買ってレンズもクソ高いのを買っているがこれも競馬のサイトを運営しているので経費。私の場合青色申告しているので30万円以下は消耗品に出来る。

それ以上になると減価償却で何年かにわけて経費にするなどの必要性が出てくるが、普通は車とかじゃないと30万円を超えることはないだろう。2016年に新車で車を買ったが新車なので6年で減価償却となる。初年度は日割りなので実質7年ぐらい減価償却にかかる計算…節税目的なら3年落ちの中古車にすべきであった…。

休みとか営業時間とか全部決めれる

サラリーマンは有給取る時は上司に相談してこの日を休みたいのですがと言って取ることになる。変な会社だと私用とか認められずなんか理由がないと休みに出来ない。

自営業だと納品日とかじゃないかぎりいつでも休みに出来る。休みじゃなくても携帯さえつながればどこで仕事をしようが何の問題もない。メールやらチャットワークで返信さえ出来ればいいのでiPhoneがあればどこでも仕事ができる。

私の場合はネットのニュースで面白い映画が見つかったらすぐに近所の映画館をネット予約してレッツゴー。平日の空いてる時間に見れるからとても良い席で見れる。

旅行も閑散期を狙っていけるので非常に割安な旅費で人の少ない観光地を堪能できる。北海道やら沖縄やら行き放題。

帳簿をつけるのが楽しい

サラリーマンの頃は毎月決まった額しか振り込まれないから、通帳記帳なんか何も楽しくなくて記帳せずに何ヶ月も放置していたりした。

それが個人事業主になると毎月月末に振り込まれるお金を確認してクラウド会計ソフトに入力するのが楽しくて仕方がない。今月は多かったとか今月死ねるwwとか一喜一憂する楽しさは個人事業主じゃないと味わえない。

昨対とかもすぐに出てくるので去年より10%増えてるなぁとか見るとやる気も起きるし目標も立てやすい。期末予想額とかもクラウド会計ソフトだったら出てくるので後半頑張れば去年の倍狙えるぞとか考えるのがとても楽しい。ゲーム感覚で仕事の目標を決めれるのが個人事業主。

参考クラウド会計ソフト freee会計
(私が使っているアプリです)

退職金を自分でためて節税できる

小規模企業共済という退職金を積み立てるみたいな制度がある。仕組みは毎月一定の額を積み立てて30年自営業をやって廃業した場合、掛け金に上乗せされたお金が戻ってくるという制度。

これは自営業にとっての退職金みたいなもので通常自営業者は会社が潰れてもサラリーマンのように失業保険が支払われたりしない。

そのためもし廃業した時にお金が無かったらかなり苦しいことになるのだがこの制度を利用しておけば即座には困らない。毎月3万円でも25歳から65歳まで働いたとして40年程度積み立てれば1000万円以上が支払われる計算になり非常に助かるだろう。

しかもこの掛け金は節税にも使える。サイトから計算してみたが400万円程度の純利益が出ていれば年間10万円以上の節税が可能と出た。税金が10万円帰ってきたら最高でしょ。

そんなわけで自営業者は必ず小規模企業共済を利用して節税と廃業リスクヘッジを行おう。

ちなみに何で長く入ってると掛け金よりだいぶ多い額が帰ってくるのかというと20年以下で廃業した場合に損する仕組みになっているから。

だから20年以上自営業続くかわからないとか10年で廃業予定とか(いるとは思わないが)の人は元が取れないので入らないほうがいいでしょう。自営業って20年続かない場合が結構多いからね。

ただそれは共済の掛け金の話で節税効果が年間10万円と考えると20年もかからずに余裕で元が取れる。なので20年も続くかわからないと思っていても小規模企業共済には入っておいたほうが良いだろう。

収入が青天井

サラリーマンの場合どんな大手企業に努めていても社員である限り収入の上限は存在する。必死で働いて登りつめても部長クラスで年収1500万円とかが普通。すごい会社の役員になって億を超えるぐらい。その辺の中小だと部長でも600万円とかのところも多い。

そう考えると個人事業主の場合、頑張れば頑張るだけ稼げて給料は青天井。最初のうちは大した仕事をもらえずその辺のサラリーマンと同じぐらいであるが信頼と実績がつけば大きな仕事が出来たりノウハウの蓄積などで収入は伸び続ける事がある。外部に協力スタッフを雇えば稼げる額も伸び続けて億は割りと早い段階で到達する。

自営業にとっては本当に年収1000万円は通過点でしか無い(もちろんがむしゃらに働く必要はあるが)。

会社員で年収1000万円を達成しようと思えば普通に考えると、そこそこ名のしれた大手商社で中堅と呼ばれるレベルに達するまでは不可能だと思うが自営業なら中卒でも頑張れば20代で達成できる額になる。その点で夢があるのが自営業

自分の力で金を稼いでいる感がある

会社員の時は毎月決まった額の給料がもらえて一生懸命頑張っても、暇な時期で仕事が全然なくてもお金がもらえる。これはとても安心感があって良いのだがぶっちゃけ自分の力でお金が稼げている感があまりない。

自営業の場合は仕事をしなければお金が貰えることなど無いので仕事をするしかない。自分で仕事を探して来て、仕事を完成させそれを納品してやっとお金が振り込まれる。

この自分の仕事をやった感がすごく自分の力でお金を稼いでいる感を生み出し、満足度がとても高い。会社の仕事はとてもやらされている感が強く、自分の仕事というよりは誰かの仕事を誰かの指示でやっているのでなんか満足度が低くて納得いかない事が多く、疲労感も大きい。

それが自分の仕事をしている時は自分の納得の行く物を作り、それを納品するので非常に達成感が強くやらされ感が全然ない。自分が経営者であることで全責任が自分であることによりリスクも全て引き受ける代わりに納得の行く仕事ができるということである。

会社員で会社の仕事をしている限り、この自分の仕事をやりきった時の達成感は味わえないかもしれない。

特に自分のサイトで物を売る時は自分でサイトのデザインやサイト構造を考えてPDCAを回し最適化していく必要があり、それが売上に直結してくるので自分の裁量次第でいくらでも色々挑戦出来る楽しさがある。

もちろんクライアントワークでもこれまでは会社の立場なども考えてクライアントに強く言えなかったようなことも全責任を自分が引き受けているので、いくらでも自分の責任で発言できるようになった。やりたくないことをやらなくてもいいと言うことはとても納得行く形でお金を稼いでいる感覚がある。

個人事業主のメリットデメリットまとめ

個人事業主のメリットデメリットまとめ
個人事業主として仕事をしてきた感想をまとめてみた。

私はブログとウェブ制作をやっているので普通の個人事業主の人とはちょっと違うと思うが大まかな感じは上記の様な感じ。

重要なのは個人事業主になるとサラリーマンの時のように有給が使えなかったり失業保険が使えなくなったり厚生年金が使えないなどかなり責任が増し、リスクが大きくなること。

その分個人事業主の方が売上がそのまま懐に入ってくるのではっきり言って大きめの仕事をするとサラリーマンの時の何倍も稼げたりする。

私はサラリーマンの時、月収30万円固定で残業代込のボーナス無しだったのだが個人事業主になって最高月収は79万円の時があった。

個人事業主は売上から小規模企業共済やらいろいろな保険とか経費によって純利益を限りなく0に近づけることが出来るため、年収はいくらか?と言われると最終的に課税所得的には200万円ってことになってる。青色申告すると65万円の控除があったりぶっちゃけ個人事業主には税制面で優遇が大きいと思う。

年収200万円だけどサラリーマンの時より遥かに楽しく生活出来ている実感があるので私には個人事業主があっているのだと思う。

個人事業主はたしかに安定していないし、めんどくさい事だらけでサラリーマンの方がほんと楽だな…て思うこともあるけどまぁなんだかんだでやっていけてるのでこれからも頑張って個人事業主頑張ろうと思う。

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